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あとがき(2022年4月)

●「後悔しない生き方ってあるだろうか」。座談会で男性から出た問い。いとこが突然亡くなった。もう会えないと思うと、もっと話しておけば良かったと後悔したことから右記の問いが出た

●親や友の死を通して数々の後悔をした自分を思い出した。しかし今は、「しておけば良かった」と後悔するよりも、「これはした」という事を大切にする歩みをしたいと思っている

●石川啄木の詩に《戯れに 母を背負いてそのあまり 軽きに泣きて 三歩歩めず》とある。散々好き勝手に生きてきたが、想像以上に軽くなった母を通して、苦労をかけてきた事に気づかされ歩めないほど頭が下がったという詩だ

●後悔を問いにされた先の男性に、「孝行したい時に親はなし」という後悔を避ける為に、「お母様を背負ってみては」と提案してみた。数日後「背負ってみました」と報告を受けた。「背負わせて」と言うのに、一日かかったらしい。背負った方も、背負われた方もいい顔をされたのではないかと想像しながら、私の顔も緩んだ

●どうしても自分の思いを中心にしてしまう人間には、後悔しない生き方はない。むしろ後悔するぐらいの方が尊いものに出遇った証拠であり大切なことだろう。しかし後悔するどころか、すべて責任を転嫁して殺し続ける戦争にその尊さは無い。彼には背負わせてくれる母はいないのだろうか。合掌。

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