仏事あれこれ(2024年12月)
【問い】
地獄は有りますか?(その2)
50代 男性
【応え】
映画やドラマで見る地獄は、想像の世界ですが、死後の世界を説くことに意味がないとハッキリと言
われたのがお釈迦様です。
むしろ地獄の有無に縛られて不安に思う心こそ、破られなければならないと教えを説かれました。
それにまつわるお話しがあります。
家族を亡くし、悲しくて食事も取れない男性に、大切な事に目覚める時が来た事を見抜いたお釈迦
様が寄り添いました。
「何を考えているのか」と尋ねると、「家族はどうしているのばかり考えています。どうしたら良いのでしょうか」と聞くので、「すべての形有るものは変化し、壊れるものは壊れ、いのち有るのもは死するのです」と言いながら次の話しをされました。
昔、両親と兄が続けて亡くなった資産家の青年がいました。
皆が悲しみに暮れる中、その青年は泣きもせず落ち着いていました。
人々は遺産が手に入るから、家族の死も喜んでいるにちがいないと思いつつ、訳を聞きました。
すると、「あなた達は、利益と損失・名誉と誹謗・賞賛と非難・楽しみと苦しみという八つの事柄ばかりに関心を寄せ毎日を送っていながら、人が亡くなったら泣いています。
確かに悲しい出来事でしょうが、必ずあなたも私も死にます。
その悲しい出来事が必ず自分の身にも起こるのに、日頃は八つの事柄にしか関心を持っていません。
だから他人の死を悲しむよりも、「私も死ぬのか」といって、もっと自分の今を悲しむべきではないですか。
死んだ者の事ばかり悲しみますが、これから死んでいく者の事は悲しまないのですか。
自然の道理からいえば、永遠に続くものなど、ただの一つもありません。
だから無智の人間が作り出す世界に、真実など一つもありません」と、悲しむべき方向と教えを聞く事の意味と自分自身が問題である事を、男性に話しました。
あなたが、地獄を問う背景には、深い悲しみがあると思います。
その悲しみを受けた者の歩むべき道こそが大切なので、共にお釈迦様の教えに、ゆっくりと聞いていけたらと思います。