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異なることを歎ぐ 其の7

~ 異なることを歎ぐ~第一条 其の7

第一条は救いの言葉が続きます。「救い」を言葉にする事は大変難し
い事です。「救い」を説明すれば感動は無くなるし、感動語だけでは時
代を超えて伝わっていくことは大変困難です。

(『歎異抄』本文)
弥陀の本願には老少善悪のひとをえらばれず。
ただ信心を要とすとしるべし。
そのゆえは罪悪深重煩悩熾盛の衆生をたすけんがための願にてまします。

(超訳)
本願とは、「絶対にいのちを比べない」と誓われた阿弥陀如来の覚悟です。
その覚悟に出遇えたならば、どれだけ悩み、苦しみ、戸惑いが深く、罪深き者にも、必ず生きて往く道が出来るのです。

「選ばない・比べない」心

インドでお生まれになり、覚りを開かれたお釈迦様の大きな課題は、「選ぶ心・比べる心からの解放」でした。
インドはカースト制度によって身分が決められており、身分を超えての結婚や仕事が出来ないほど差別を基本とした社会が成り立っています。
その様な世で「天上天下唯我独尊(弥陀の本願は老少善悪のひとをえらばない)」と
叫ばれたことは、インド史上衝撃的な言葉だったに違いありません。
インドの主な宗教は、ヒンドゥー教で、輪廻転生を説き、次の世で解放されると説きます。
言い換えれば現世では差別からの出口はないと説いていることになります。
その様な「いのち観」の中で、「輪廻転生を否定し、どのいのちも等しく尊く、今救われなければならない」と説くことが、いかにすごいかが分かると思います。

「選ぶ・比べる」心

反対に人間の欲だけで作られた社会を仏から見ると、悩み苦しみ戸惑いが多く、争いや差別が止まない世(罪悪深重煩悩熾盛)であります。
そしてそれらの苦しみの本は、「選び、比べる心」と教えられます。
その心が引き起こす世界は、「優越感」と「劣等感」で満ち溢れ、戦争(ケンカ)と自殺(孤独)を生み出す本になっています。
すべての人間の苦しみの本を覚られたお釈迦様は、説明ではなく、弥陀の本願を叫び、自らが本願を生きることをもって、世の中の光となられ、現在の私達も照らし続けてくださっています。

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