仏事あれこれ(5月)
【問い】
亡くなったあと49日間過ごすのは何か意味があるんですか?
【応え】
今月は、大切な方と死別したことは、残された者にとってどのような意味があるのかを尋ねていきたいと思います。
5週間目は地蔵菩薩の救いを頂きます。
「お地蔵さん」という名称で、菩薩の中でも良く知られています。
六地蔵という地名や、「笠地蔵」という昔話もあります。
その内容は、年末、お爺さんが笠を作って町に売りに行きました。
全く売れずに帰路につくと、道路脇で雪に埋もれ寒そうな6人のお地蔵さんがいました。
お爺さんは雪を払い、売れ残った5つと自分がかぶっていた笠を掛けてやりました。
夜中に大きな足音が聞こえたので玄関を開けると、さっきの笠の御礼にと、たくさんの食べ物をお地蔵さんが届けてくれたという話です。
良い事をすると良い事があるという意味で伝わっています。
しかし本当の意味は違うそうです。
雪を被ったお地蔵さんは、行くときにも道路脇におられました。
しかし売る気満々のお爺さんには見えていません。
しかし全く売れないという、悲しむべき状況になったとき、行く時には見えなかったお地蔵さんの事を寒そうだと言って、自分の笠を掛けるまでに変わりました。
悲しみを知る事は、今まで見えていなかったものが見え、歩みが変わるという意味がある事
を伝えているのが、「笠地蔵」の本当の願いなのだそうです。
見えていなかったものとは、①自分勝手さ(地獄)・②欲深さ(餓鬼)・③責任転嫁(畜生)・④奪い合い(修羅)・⑤偏り(人)・⑥自惚れ(天)という、人間の6つの迷いだと指摘されています。
そういう在り方を悲しめたとき初めて、お爺さんのように、立ち止まり、雪を払い、笠を掛けてあげれるようになるのでしょう。これはこれ譬え話です。
大切な方を亡くすという事は、当たり前と思っていた日常が崩れてしまいます。
そして何も見ていなかった自分自身に改めて出会い直していくことが願われているのでしょう。
