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サンガの建設144

私を待ち続けてくれている心に出会う事の尊さ

私を待ち続けてくれている心に出会う事の尊さ

人の命がロウソクよりもたやすく消えていく時代のお話しでございます。
出雲国の持田の浦という村の夫婦は、ひどく貧しく自分達が食べるだけで精一杯でした。
子供が産まれる度に、「ごめんよ」といって、家の裏を流れる川に子を捨てていました。
しかし月日は流れ、ようやく暮らしに少しゆとりが出てきた頃、初めて生まれてきた子を育ててみることにしました。
ある月夜の晩の事です。
「ねぇんねぇんねぇんや、ねんねこした子はかわい子よ」。
父親は赤子を背負って「今夜はええ月だ」と独り言をいいました。
すると、まだ喋るはずのない背中の子が、口を開いてこう言ったのです。
「お父っつぁん。お父っつぁんが最後に私をお捨てになった時も、こげに月のきれ~いな晩でしたね」

これは朝の連続ドラマ「ばけばけ」で紹介された怪談です。すると外国から来た英語の先生は、「私は親を捨てた。もう二度と捨てたくない。
だから良い人になる」と感想を語りました。
主人公のトキは、「何回捨てられてもこの子は同じ親の元に生まれました。この子の親を思う気持ちはとても強い。
それを知ったこの親は、きっとこの子を大切に育てると思います」と感じたそうです。
皆様はどんな感想をもったでしょうか。

「貧しい時は捨ててきたけど、気持ちの余裕が出来た事で、子どもを育ててみようと思った」という展開を読みながら、自分の親子関係を思いました。
成人した娘に、小さかった時の私を聞いてみたら、怖かったと言われました。
そんなつもりはなくても、忙しさや心の余裕の無さが子ども達を萎縮させ、子ども達の心の声を切り捨ててきたのかもしれません。

人には、気持ちに余裕がなければ他者を切り捨ててしまう心があるのでしょう。
しかしそんな人でも、心に余裕が出来るまで待ち続けてくれていた心に出会えた時、その心に応えるようにしっかり生たいと願う者になれる事を教えているのでと思いました。
怪談に興味が湧いてきました。

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