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サンガの建設126

「要求」と「欲求」

「要求」は、動物的な欲で、お腹一杯になればもう欲しがらない「欲」だそうです。
だから食べ過ぎて病気になる動物はいませんし、料理してもうちょっと美味しくしようかと思うこともないそうです。
言い換えれば「欲」に歯止めがかかるという事です。
そのかわり人間のように発展ということはありません。

「欲求」は、心理的な欲で、人為的に刺激すればどれだけでも無限に増大する「欲」です。
ですから快楽を無限に追求し、欲求のままに放任すれば、大変なことになります。
ですから長い歴史を通して、欲求を抑制することに気を遣ってきました。
しかし現代は欲求を満たすことに全機能をかたむけていると言われています。

ある酒造メーカーによる「欲求」に関する話があります。
昔は寒いうちに原料を仕込んでいましたが、今は一年中作れて大量生産が出来ます。
しかし売ることが難しいのだそうです。
そこで利用したのが「欲求」です。
仕事終わりの晩酌がメインだったお酒のイメージを刷新する為に、朝から昼から昼夜を問わずトクトクと音を立てて美味しそうにお酒を注ぐコマーシャルを流すと、老若男女の欲求が開花し、肝臓が悪くなるほど飲まずにはおれなくなって大儲けが出来たそうです。
お酒だけでなく、私たちは衣食住の全産業に、人間の欲求を刺激され続けています。
そして教育や政治までもが、「欲求」の上に成り立っています。
近い未来、人も国も、自らの欲求よって壊れてしまうのではないでしょうか。
今している事は「要求」ですか、それとも「欲求」ですか。

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