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仏事あれこれ(2025年2月)

【問い】

お勤めをしていると、「○○に帰命せよ」という言葉がたくさん出てきます。
どう言う意味ですか。

50代 男性

【応え】

「○○を帰命せよ」とは、「○○を依り処としなさい」と理解して下さい。
私たちは、色々な事が起こる日常を過ごしています。
だからこそどんな事が起こっても、今を見棄てない歩みが出来るように、言葉や善き人といった依り処を持って下さい、「帰命せよ」と何度も教え続けて下さっています。
人間には「苦・空・無常・無我」の4つの苦しみがあると、お釈迦様は、教えます。

①【苦】は、肉体的・精神的な苦しみ、②【空】はどれだけ頑張っても、何となく空しく一日が過ぎ、気が付けば一年が終わり、生きている事の意味が見出せない苦しみ。
③【無常】は、人間関係や体調など常に変化し続ける事実に心がついて行けない苦しみ。④【無我】は、思い通りにならない世の中や自分自身に苛つく苦しみがあると教えます。
最悪な日常ですね。
全部当てはまると生きる事それ自体がしんどいですが、どれか一つでも辛いですね。
そのような日常の中で、依り処(帰命)を持つという事は、具体的には「仰ぐものを持つ」事です。
仰ぐとは日常を超えるという事です。

永年、書道を習われているご門徒がおられます。
綺麗な字に感心していると、「先生に追いつこうと頑張っているけど全く無理です。
すごい方なんです」と先生を誉めつつ仰いでおられます。
そして仰いでいるその方の顔がとても明るく良い顔をされます。
それは、その先生にも仰ぐ方がおられる証拠だと思います。
「私を仰ぎなさい」という人は誰も仰ぎません。
仮に仰いだとしても、そこには利害(分別)が発生し、顔は暗くなります。

順風満帆であろうとなかろうと、どんな人生であっても、生きる現場には多様な苦があります。
だからこそ仰ぐべき言葉や、仰ぐべき善き人が必要です。
お勤めの中ではどのようなものに帰命せよといってあるのか、来月号でご紹介したいと思います。

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