あとがき(2024年9月)
●父の親友であり、私の仲人が亡くなった。大変優しくして頂いた。発する言葉の一つ一つに幾十にも重ねられてきた歴史を感じていた。日頃はご無礼ばかりしていたが、いよいよ体調が良くないとの連絡を受けて会いに行った。父と同じく痩せ細ったその体は、自分の意思とは関係なしに、最後の一息まで生きようとする力に支えられているようだった。名前を呼んでも分かっているような、そうでないような。色々な言葉をかけたかったが、誤魔化しのきかないいのちの前では、ただただ「有難うございました」としか言えなかった。その翌朝、御命終された
●松尾芭蕉の言葉に「古人の残せしものを求むるな。古人の求めしものを求めよ」とあると教えて頂いた。人間は「残せしもの」に執着して、ケンカをし決別する。そうではなくて、その方が「求めていたもの、大切にしていたこと」を尋ねなさい。そのことが大切な方に手を合わす者の本当の財産であると教える。そして見送る側も、必ず見送られる側になるんだぞと教えている
●ご子息に「会うべき人に、みな会って逝きました」と言われた。グズグズしている私を最後まで待っていて下さったのだろうか。ナムナム。