仏事あれこれ(2024年3月)
【問い】
お寺が好きで、宗派を問わずお参りしています。
月参りの時に読む最後の四行はどこの宗派でも聞きますが、どういう意味があるのでしょうか。
男性
【応え】
- 願以此功徳(願わくはこの功徳を以て)
- 平等施一切(平等に一切に施し)
- 同発菩提心(同じく菩提心を発して)
- 往生安楽国(安楽国に往生せん)
この四行は、回向文と言い、仏様の回向(救い)を表す文です。
人間には、健康、経済、学業などたくさんの願いがあります。
しかしそのどれもが人間から出た願いなので偏りを生んでしまいます。
例えば健康を祈願しても、常に安心はなく、果てなく願い続けなければなりません。
経済も学業も、その願いに果てはありません。人間から出てくる願いは、いつまでも良い状態が続き続ける事を願うしかありません。
しかしこの回向文には②「平等」という願いが書かれてあります。私たちの平等は、均一にと考えますが、仏様の平等は無等等(等しくない等しさ)といい、比べずその人はその人のままで良いという等しさです。
病気の人も、貧しい人も、愚かな人も、今の反対になることを願いますが、反対になれなくてもあなたの人生の尊さは変わらないという救いです。
むしろ③都合の良いことも悪いことも、自分の全体を自分で引き受けていく者になれたとき、④今生きているこの現場が安楽国(みやこ)になるという救いです。
それが①仏様の功徳(救い)です、という意味があります。
私たちには必ず願い(祈り)があります。
無い人はいないでしょう。
しかしその願いが本当に私を幸せにするものなのかを知る術は、欲深い人間にはありません。
だからお勤めの最後には必ず回向文を読み、仏様の功徳(智慧)に依っちえて、無等等の人生を精一杯生ききる事を忘れないようにしています。