仏事あれこれ(2月)
【問い】
先月号の「仏事あれこれ」で、お墓は土に還る為とありましたが、それだけのためですか?
女性
【応え】
家族やご先祖の事を思い、手を合わせているのに、土へ還るためだけと言われれば疑問に思いますね。
この度の問いも非常に大切ですので、2回に分けて確認したいと思います。
実はお墓も仏さまの教えに遇う大切な場所です。
その事を確認する前に、お墓の表書きの歴史を尋ねたいと思います。
元々お墓の表書きは【南無阿弥陀仏】(阿弥陀仏を敬います)や、【倶会一処(くえいっしょ)】(俱(とも)に一つの処(浄土)で会いましょう)がほとんどでした。
先立たれた方々は仏さまですので、表書きとしては当然の言葉です。
しかし江戸から明治に変わる時、氏(苗字)を持つ事が義務つけられました。
そして「家」意識が高まり、国が豊かになってきました。
同時にお墓事情も変わり、表書きには、「○○家之墓」が増えて主流になってきました。
言い換えれば仏さまの名前から、表札の様に変遷し、お墓に手を合わす理由が、仏さまを仰いでいた生活から特定の御先祖だけを崇拝するものに変わってきました。
しかし150年を経た今では、苗字に対する意識や離縁による苗字の違い、また家族構成の多様化などの理由から、お墓の維持や家族内で歴史を継承していく事が非常に難しくなり、お墓の意味が分からなくなってきました。
「墓じまい」や「終活」がその事を象徴しています。
その事を踏まえてお墓の意味を尋ねてみたいと思います。
お墓の入り口や中央には必ず六地蔵があります。
来た時と帰る時に手を合わすようになっています。
その意味は、六人のお地蔵さんの前に立つと、私は七人目になります。
仏教で七と言えば、お釈迦様がこの世にお生まれになった意味を表す数字です。
お釈迦様は生まれてすぐに七歩歩かれました。
その意味は、私たちの生き方が六つの道をぐるぐる迷い巡っているので、その迷いを超える七つ目の道を歩ませる為にお生まれになられました。
つづく