1. HOME
  2. 書き物
  3. 身と土【サンガの建設】
  4. サンガの建設111

サンガの建設111

「永遠の孤独」として刻まれる

若年者による家族の介護現場が、「ヤングケアラー」という言葉で知られるようになり、昨今多く報道されています。
ある25歳の女性は、5歳から12年間、絶叫と自殺行為を繰り返すお母さんを、お父さんと共に支えてこられました。しかし17歳の時に堪えきれず絶縁されました。
ご自身の経験を、「ケアラー」ではなく、「サバイバー」(災害の中を生き抜いた人)という響きの方が近いと述懐されています。
国や自治体の支援も始まりましたが、「子どもなのに偉いね」「家族愛だね。感動」といった感想を話す大人達の反応を聞いているうちに、誰にも相談できなくなったそうです。
何故なら自分が抱えてきた葛藤や苦悩とはあまりにも違う感想だったからです。
そしてその違いは、誰にも分かってもらえない「永遠の孤独」として記憶に刻まれてしまうそうです。
彼女は言われます。
「壮絶な経験を持つ子どももいるので、大人達自身が勝手な見方をしている自分に気づき、向き合い方を変えてくれなければ、支援は届かない」と。

親鸞聖人は『正信偈』(しょうしんげ)で、「私達は誰もが雲(苦悩)や霧(孤独)に覆われて生活しています。そういう者同士として向き合い、耳を傾け合う事がとても大切です。
そのような関係を生き合えたら雲霧は消えないかもしれないけれど、必ず道は出来るのです。
向き合い、聞き合う事を大切にしなければ、永遠の孤独(無間地獄)に堕ちることになります」と教えられています。

「親は子どもを大切に思うもの」「子どもは親を
慕うもの」という一般論ではなく、誰もが雲霧を抱
える者同士として向き合う時と場が大切なのでし
ょう。
家族関係や友達関係で不安を抱えるのが人間なのだから、近況報告を聞き合う習慣から始め
る事が、永遠の孤独を避ける早道かも知れません。

関連記事