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サンガの建設118

人間を苦しめる本(もと)は、人間にある

先般、水俣病と診断された方、全員への補償に対する裁判があり勝訴されました。
水俣病とは、化学工場から海や河川に排出されたメチル水銀化合物を、魚介類が吸収し、食物連鎖によってそれらを食した人の体に蓄積し、発生した中毒性の神経疾患です。
昭和31年(1956)5月に初めて発生が報告されました。
水銀には、害が少ない無機水銀(蛍光灯やボタン電池、体人間を苦しめる本(もと)は、人間にある温計や血圧計などに使われる)と、毒性が強く農薬や塩化ビニールなどに使われてきた有機水銀(メチル水銀)がありますが、体内に取り込まれやすい有機水銀を海や河川に排出したために、被害が甚大になりました。罹患した場合は、脳の神経を侵し手足のしびれや脱力、目耳の機能が落ち、体の平衡が保てなくなるそうです。

裁判の争点は国の責任の有無ですが、この問題の本は、戦後の「復興」という大きな目的があったために、有機水銀の危険性を知りながらも対応出来なかった事にあると國學院大學の廣瀬美佳教授は言われています。
公害がこの問題の本ではなく、人間の判断の誤りが人間を苦しめる本だったと言われます。戦後復興という大義の前では誰も指摘できなかったのでしょう。

この問題から考えさせられる事は、「大義」という言葉を用いたときほど、判断の誤りに気をつけなければならないと言うことでしょう。
何故なら人間のする事ですから。

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