サンガの建設100
人間は勦るのではなく、尊敬すべきものだ(水平社宣言)
大正十一年三月に出された「水平社宣言」が百年を迎えました。
宣言文の中に表題の言葉があります。
勦る(いたわる)は、「かすめとる・殺す」という意味があります。
宣言文作成の中心人物である西光万吉氏は、「勦る背景には、劣っていて見るにしのびないという感情から、同情や哀れみの心が起こり、何とかしてあげなければならないという道徳心がある。
しかしその道徳心がかえって人を卑屈にし、依頼心を強くし、自尊心を失わせ差別を引き起こしている事が分かっていない」と言われます。
簡単にいうと、「勦(いたわ)るとは上から目線」なのでしょう。
そこにあるのは上下関係だけで、尊敬する関係はありません。
これは部落差別だけの問題ではなく、家族や社会、また世界といった関係を生きるすべての者が抱える問題を課題とする意味から、「水平社」という言葉が生まれました。
平等や解放を説く宣言のほとんどが、一定の権力を握った人達から出ていますが、「水平社宣言」は「勦われた側」から出た世界初の人権宣言というところに、尊い宣言である理由があるのでしょう。
勦る言葉を発する側にも受ける側にもならないために、「水平社宣言」を忘れてはならないと思いました。
