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サンガの建設128

欲で迷う

先日、クローン犬が紹介されていました。愛犬が死んだのでクローンを作ったのだとか。
それで悲しみはなくなったのでしょうか。
人間の欲には果てがありません。
その内、いや、もうすでに人間のクローンが誕生しているかも知れません。
ここでいつも疑問に思うのは、遺伝子が全く同じでも、本当に亡き人と全く同じ人として出遇えるのでしょうか。
共に生き合った歴史が違います。失敗から道を学び合ったり、出会いや別れを通して喜びや寂しさを共に力としてきました。
また人間関係の理不尽さに嫌気がさしたり、想像を超えた深い愛で立ち直りもしたでしょう。
たくさんの経験をし、共に生き合ってきた人と同じように、クローンと生き合えるのでしょうか。
反対にクローンの方も、かつての私を懐かしまれても、私は私の歴史を生きた私だと言いたくなるのではないでしょうか。
そのような問いには向き合わず、研究者は新たな領域に興奮を覚え、果てしない人間の欲に応える為にクローン技術を育むのでしょう。
しかし必ず人間の欲で人間は迷います。

8月は特に、戦争を通して、人が殺し合うことの愚かさを考え、平和を願う月とされています。
しかし平和を願うだけで良いのでしょうか。
戦争と平和という相反する間で、「善を掲げて、殺し合わずにおれない人間の愚かさを、常に教える仏の教で、1人ひとりの今を毎日確認し続けよう」と誓わなければ、絶対に殺し合う事を「善」とする時が来ますし、すでに殺し合っています。

クローンや戦争という問題は自然界にはありません。
人間の果てしない欲から生み出されたものです。
だからこそ、人間の果てしない欲を共に課題にする時をもたなければ、クローンと戦争による悲劇は不可避でしょう。
隣の方と、大切な友と、共に生き合える時間は限られています。
教えに依って、いつ離ればなれになっても、クローンなんか必要がないと言えるほどの「今」を生き合えなければ、果てしない欲で迷い続けることになるのでしょう。

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